超音波スケーラー・マグネット方式のメリットは本当か? 1

超音波スケーラー・マグネット方式のメリットは本当か? 1

超音波スケーラーでの超音波発振の方式は2種類あります。
お分かりになりますか?

そうですね。ピエゾ方式マグネット方式です。
現在は日本国内を見ても、世界的に見てもピエゾ方式が主流です。


その理由は、また、別の機会に触れるとして、今回は最近、質問が増えているマグネット方式に関して書いていきます。


本日はその第一回です。
質問が一番多い「よく言われるメリットが本当なのか」についてご回答いたします。


第一回目のテーマは・・・


「チップ全周が使用可能なため、スケーリングの際に
   チップの当て方や角度を考えなくていい」というのは本当?


マグネット方式の超音波スケーラーと言えば、キャビトロンが有名ですね。


マグネット方式のメリットの一つに

「チップ全周が使用可能なため、スケーリングの際に歯面へのチップの当て方や角度に縛られることなく使用可能」

と言われることがあります。

これにより、卒後間もない方でも70点程度のスケーリングができるなどとも言われています。


これは本当なのか?


キーワードは「楕円」ですね。


チップ全周が使用可能と言いますと、全周同じ様に使えるように感じますが、結論から言いますとこれは間違いです。


これが「円」運動ならばチップの側面であろうが、内側、外側であろうが、斜めのところであろうがどこを当てても同じようにスケーリングできるかと思いますが、マグネット方式はあくまでも「楕円」運動です。


どのくらい楕円かと言いますと、錦部製作所で2種類の測定器で測定した結果、だいたい7:3くらいで縦運動をしています。


数値にします例えば、縦に70ミクロン動くとき横に30ミクロン、縦に35ミクロン動く時は、横に15ミクロン動くということになります。


例えばピエゾ方式なら下図のように一定方向に動きます。
この時、側面を意識して当てますと矢印のように動きますので、効率的ですね。

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これをマグネット方式に置き換えますと下記の図のような動きになります。
※先端断面形状が丸い超音波チップの場合

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ですので、例えば、側面を使ってスケーリングをしますと、縦の動きを使用しますので、下図のように縦に70ミクロン動きを利用します。
ただし、この時、横にも30ミクロン動いています。

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で、今度は背中や内面を使う時は、下図のように横の30ミクロンの動きを利用してスケーリングをします。
この時は縦に70ミクロン動いています。

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当然、側面を当てた時の70ミクロンのスケーリング効果と背中を当てたときの30ミクロンの効果は違うということです。


つまり結論は、チップ全周を同じ様には使えないということになります。


しかも、背中を使うときに側面と同じように70ミクロン心服させようとしてパワーを上げれば、縦振動の振幅もまた強くなりますので、余計歯面を叩くような動きになり患者さんに痛みを与えるかもしれません。


それを避けるためにもマグネット方式の超音波スケーラーを使う時は、こうした楕円の動きに気をつけながら使う必要があります。