BDRチップ
さまざまなシリーズの超音波チップを製造していますが、
その中でも意外と知られていないのが
BDRチップです。
山形県酒田市日吉町にある
日吉歯科診療所の理事長 熊谷先生が考案した超音波チップです。
そのBDRチップのコンセプトは・・・・・・・。
プローブの挿入できる部位ならどこでも挿入できること
この熊谷先生が考案したBDRチップのコンセプトは「プローブの挿入できる部位ならどこでも挿入できること」 (錦部製の特別なプローブは除きます)です。
ですので、手用のキュレットで届かない部位にも到達できます。
そのため、先端はかなり細く作っています。
刃などはついてなく、バイオフィルムの破壊を目的にしています。
開発秘話
実はこのBDRチップは現在は8種類発売されています。しかし、はじめにうちで設計開発したのは16種類でした。
試作はかなり時間がかかります。
作っても1種類10本くらいですが、10本でも100本でも
100以上の全ての工程を経なければなりません。
しかも各工程が手繰りで、すんなりできるとは限りません。
さらに、新しく図面を引いたり、プログラミングをしたり、
型を作ったりしなければなりません。
で、それらを何回も繰り返すわけです。
さあ、それらを乗り越えて、16種類のBDRチップができました。
当時、白水貿易のヒットメーカーだった常務がいました。
この方が「売れる」と言いますとその8割という高い打率で
ヒットしました。
その常務が一言、
「うーん、16種類は多いな。こっちからこっちは、いらないな」
なんとこの一言で、半分の8種類が、お蔵入りしました(笑)。
私達も作りながら多いなーと思っていたんですよね。
正直、苦労が多い分、「だったらはじめから言ってくれよ」という気持ちですが、
そのほかの8種類は、熊谷先生の決断が早く、3回くらいの作り直しでOKがでましたので
まあ、いいかという感じでした。
BDR超音波チップ TK1
BDRチップシリーズにはTK1とTK2というのがあり、それぞれに4種類ずつあります。まずは、TK1です。
TK1?1S
TK1?2S
TK1?1L
TK1?2L(写真なし。TK1?1Lと形状は同じで太さが違います)とあります。
形状は、ブローブに似ているかと思います。
それぞれ1S・1Lは先端が0.5ミリ。2S・2Lは0.7mmとなっています。
そして一段目までの曲がりが、Sの方が15ミリ、Lが20ミリとなっています。
BDR超音波チップ TK2
TK2シリーズも4種類あります。先端が三次元にカーブしているのが特長です。
TK2?1R
TK2?1L
TK2?2RとTK2?2L
参照:白水貿易株式会社のカタログより抜粋
TK2?1RとTK2?1Lは先端の径が0.4ミリ、
TK2?2RとTK2?2Lが0.6ミリとなっています。TK1よりさらに0.1ミリ細く出来ています
熊谷先生と錦部製作所
実は、熊谷先生考案のBDRチップを製作しましたが、私どもは熊谷先生とお会いしたことがありません。
理由は、例のヒットメーカーの常務曰く、
「熊谷先生はいい人だから、
錦部さんには会わせないよ」ということなのです。
その真意は、私たち、職人の悪いクセかもしれませんが、
”気持ち”で動くことがままあります。 現在も試作を多く、頼まれていますが、
中には、
「こんなものを考えたんだけど、
作らせてあげてもいいよ」などと言ってくる方もいます。
熊谷先生は、大変いい方なので、
錦部に会わせると錦部が採算など考えずに何でもしそうだから
会わせられないそうです(笑)。
そんなことを言われるともっと何でもしたくなっちゃうのが
職人なんですけどね(笑)
BDRチップは純正品として白水貿易株式会社に全て納めていますので
直販はできませんが、P-MAXをお使いの先生は、
白水貿易に問い合わせて見てください。
追伸
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