社会保険では扶養の中にいるときの税引き後の収入の違い
「歯科医院でパートタイムで働く人のための配偶者控除など」の
7回目です。
少し、時間が空いてしまいましたが、
いよいよ、所得税と住民税を合わせて、
計算していきます。
奥さんの収入が税金を引かれたあとは
家計全体ではどのようになるかやってみましょう!
1回目から6回目まではこちらをご覧ください。
マジックのようなことが起こり得ます
1回目https://www.nishikibe.co.jp/blog/koujo1/
2回目https://www.nishikibe.co.jp/blog/koujo2/
3回目https://www.nishikibe.co.jp/blog/koujo3/
4回目https://www.nishikibe.co.jp/blog/koujo4/
5回目https://www.nishikibe.co.jp/blog/koujo5/
6回目https://www.nishikibe.co.jp/blog/koujo6/
では、まず奥さんが120万円の収入があったとき
そしてご主人の年収が600万円の例で
計算してみます。
以前載せた二つ表ともう一つ給料からの所得税の計算表を
載せておきます。
表1
参考 http://www.nta.go.jp/index.htm
参考 http://www.nta.go.jp/index.htm
表2
表3 所得税の税率
ではやってみましょう。
まず奥さん所得税から行きます。
120万円から103万円を引いた
17万円に所得税の5パーセントがかかります。
8,500円ですね。
次にご主人。
年収が600万円の基本的な控除額は年収の20パーセン
トの120万円に、プラス54万円できますので
174万円。
そこに奥さんの配偶者特別控除が加算できます。
表1を見ますと、120万円のときの控除額は
21万円ですので、
これを174万円に足します。
すると195万円になります。
ご主人の所得税は、表3から
600万円からこの控除額195万円を引いた
415万円の20パーセントですので、
83万円が所得税となります。
そしてこの時の住民税は、
奥さんが22,000円、ご主人が57万9千円ですので、
600万円(ご主人の年収) + 120万円(奥さんの年収)
? 83万円(ご主人の所得税) ? 8500円(奥さんの所得税)
?57万9000円(ご主人の住民税) ? 22,000円(奥さんの住民税)
= 576万500円が家計全体の収入となります。
※ 住民税の詳しい計算はこのシリーズの6回目をご覧ください。
ケース2
次にぎりぎり控除が1段階安い
奥さんの給料が119万円のときでやってみましょう。
ご主人の年収がは同じく600万円の例で
計算してみます。
119万円から103万円を引いた
16万円に所得税の5パーセントがかかります。
8,000円ですね。
次にご主人。
年収が600万円の基本的な控除額は年収の20パーセン
トの120万円に、プラス54万円できますので
174万円。
ここまでは一緒です。
そこに奥さんの配偶者特別控除が加算できます。
表1を見ますと、119万円のときの控除額は
26万円ですので、
これを174万円に足します。
すると200万円になります。
ご主人の所得税は、表3から
600万円からこの控除額200万円を引いた
400万円の20パーセントですので、
80万円が所得税となります。
ですので、家計全体の収入としては、
600万円(ご主人の年収) + 119万円(奥さんの年収)
? 80万円(ご主人の所得税) ? 8000円(奥さんの所得税)
= 638万2000円が家計全体の収入となります。
ここから住民税を引きます。
奥さんが119万円稼いだ時の
家計全体の住民税は、
57万4千円(ご主人の住民税) + 21,000円(奥さんの住民税) で
59万5千円で、
638万2000円からこの金額をひいた
578万7千円が
奥さんが119万円の収入を得た時の所得税と住民税をひいた
家計全体の収入となります。
※ 住民税の詳しい計算はこのシリーズの6回目をご覧ください。
ということで、奥さんの年収が120万円と119万円では、
119万に抑えたほうが、26500円得することになります。
これはマジックのようですが、
収入が1万円しか差がないのに
控除額の違いが大きい極端な方の例ですね。
当然多く稼いだ方が税金の額も
大きくなりますのでこういう結果になります。
現実には、なかなか1万円を
調整するのは難しいと思いますが、
こうしたことも起こり得るのですね。
これまでの表を参考にご自分の所得と見比べて
どうなるか計算してみてください。
今回までは、所得税や住民税的には扶養から外れているが、
いわゆる社会保険はまだ奥さんがご主人の扶養にいる中での
計算でした。
次回は約130万円を境に社会保険料のあるなしでは
全体的にどうなるかを計算していきたいと思います。