超音波チップの交換時期

超音波チップは消耗品です。
いつかは交換しなければならないのですが、

「その交換時期が分からない」
「いつ交換すればいいんですか?」という

質問をよく受けます。

 なくなったヒゲソリがくれたもの 

昨日、朝、ヒゲを剃ろうとしたのですが、
いつも置いてある場所にカミソリがありません。
思いつくあたりを全て探したんですが、それでもでてきません。


仕方ないので、そのうちでてくるだろうと
諦めて仕事に行ったのですが、
帰って来て探してもやっぱりなく、先ほど風呂に入って、
妻が出してくれた使い捨てのカミソリで
ヒゲを剃りました。


剃れない・・・・

ちなみにこういう剃刀です。

e4bb95e4ba8b 写真のとおり一応二枚刃なのですが、
まさに、まるで刃が立たないという感じです(笑)。


いくら剃ってもヒゲが残るので、


何度も何度も同じところを往復しなければならず、
皮膚がカミソリ負けでヒリヒリしてくれるし、


剃れないので肌に強く押し付けたりして
肌が痛いし、


切っているという感覚よりむしっていると言う感じで
これまた毛穴と言うか皮膚が痛く、


時間もいつもの何倍もかかって、


挙句に妻がドアをあけて、

「ジョリジョリすごい音がするけど大丈夫」と
心配するいう始末。


結局、時間をかけて痛い思いをして
なんとか終わらせましたが、
いつもよりはヒゲがうっすらと残っていると言う仕上がり。


今日は、絶対にちゃんとした
カミソリを買ってくるぞ!と今、心に誓いました(笑)。


しかし、ここでふとあることを思いました。


 摩耗した超音波チップは患者さんを痛い思いをさせているかもしれません 

このヒゲソリの話。
これ、摩耗した超音波チップでやる
スケーリングや歯石除去と同じだなと
思ったりしたわけです。


摩耗して短くなった超音波チップは
振幅やパワーが落ちます。


すると歯石除去の効率が悪くなります。
そこでついしてしまうのが


まず、パワーをあげる。
パワーがあがれば、
それだけで患者さんはいつもより衝撃を感じます。


しかも超音波チップが
歯面にあたったときに大きな音になります。

この音。

これだけで反射的に患者さんが嫌悪感を持ったり、
体を硬くしたりします。


 さらに・・・・ 

患者さんの歯面などに強く押し付ける。
パワーあげて、患者さんにいつもより衝撃を与えているところに加えて
強く押し付ければ、患者さんが痛がります。


さらに強く押し付けますと
逆に振幅が弱くなったりすることがあります。
よって、また歯石除去の効率が悪くなる。


そしていつもより時間がかかり、
患者さんの口のあけている時間が増える。


こうして行った歯石除去の仕上がりは、
いつもよりきれいさが今一だったりして、
術者も納得がいかず、


何より患者さんは苦痛を受け、きれいにもなっていない

もし、そうなら患者さんは次回は・・・・・。


 超音波チップの交換時期をはっきり言います 

 

日本人は我慢強いです。
そして我慢強いということが美徳であるという考えは
根強く残っています。


ですから「痛かったら手をあげてください」と言っても
なかなか手をあげません。


でも先生や衛生士さんはその表情や、
握りしめるこぶしを見れば分かるはずです。
それを見過ごしてはいけない。


超音波チップのメーカー各社は「2ミリ磨耗したら交換してください」と、
磨耗が分かるカードなどを用意して分かりやすくしているようです。
しかしこれは、患者さんと御医院のことを考えた発言ではありません。
(実は私たちもそう説明書に書いてありますが、
今後は訂正していきます)


なぜなら、2ミリ減るところまでお使いになり、
それまでと同等の歯石除去の効果を得ようとすれば、
上記のようなことが起こるからです。


また、超音波チップは先端部分が
最も効果があるように作られています
(摩耗して性能がアップするチップは存在しません)。


例えばNISHIKIBE製のキュレットタイプも
刃がついているのは先端の2ミリだけです。


しかもどの超音波チップでも2ミリの所では先端径が太くなり、
効果が大幅に落ちます。


はっきりと申し上げます。


超音波チップは


【せめて1ミリ、最大でも1.5ミリ】、


もしくは歯石除去をしながら


「うん? 落ちが悪いな」


と思ったら、


すぐに交換してください。


今日はちょっと力が入りました。


しかし、これはどのメーカーさんも持っていない
500万円以上かけた計測器などでだした
測定結果などからのお話しです。


これをお読みになった先生や衛生士さんは、
何かの縁です。
ぜひ、摩耗した超音波チップの歯石の落ち具合など
再度確認されて、

「あっ、本当だと!」と感じたら

ぜひ、交換時期などを考えてみてください。


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カテゴリー[歯科医師さん向け, 歯科衛生士さん向け]

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