歯科医療器具販売のなぞ 先生方の要望に応えられない
「●●用の超音波チップもつくってもらえるとありがたいのですが。」
という超音波チップが要望がありました。
その超音波チップは、我々なら十分開発可能な超音波チップです。
と言いますか、その用途で使える超音波チップはすでに
製造しています。
私どもは、20年前より、現在も白水貿易株式会社さまに
サテレック社のP?MAXなどにつけてお使いいただく
超音波チップを納めさせていただいています。
当然、純正品と言うことになります。
その中に、そういった超音波チップはあります。
私どもは、昨年の今頃まで、製造する超音波チップは、
すべて、商社さまなどに卸し、歯医者さんなどには
直接販売はしていませんでした。
ところがやむにやまれぬ状況になり、
これでは、私たちが生きていくためには
直販しかないということで
はじめたのですが、
直販をはじめてよかったことの一つが
先生方の話を直接聞くことができる
ということです。
今日の話もそうですが
「こういう超音波チップはできないか」
という話はけっこうきます。
そしてそのほとんどは製造可能なものです。
しかし、製造ができても、
その歯科医療器具は販売できません。
なぜか?
薬事法のためです。
先日もお話ししましたが、
承認を申請するのにこれまでの約10倍の70万円が必要で、
期間が1年以上かかります。
それ以外にも付随する費用は、多いのです。
私どもが2年前のちょうど今頃に申請したときは、
書類が受け付けられるまで、9回も
行政独立法人 医薬品医療機器総合機構まで
通いました。
これまでならせいぜい3回くらい行けば、
受理されました。
それは受付の人が、親切に教えててくれたからです。
2年前は違いました。
行くたびに受付がわかり、人がかわるたびに
言うことが変わる。そして、具体的に言ってくれるのではなく、
難しい法律などのどこどこを見て直すように
としか言いません。
それを解読するのにかかる時間や行く費用や時間。
これを外部に頼む手もありますが、やはり100万円以上
かかります。
また受理されたらあとは結果を待つ、のではなく
そこからの修正の方が膨大なのです。
しかもわからないことはFAXで質問し、
その回答が返ってくるのに3週間以上かかることもありました。
なんでそんな時間がかかるんだと聞くと
その審査をしている人の数はなんと3人でした。
このようにかかるお金とかかる時間を考えると
以前のようにひとつひとつ承認をとって
製品化しよういうのはできなくなりました。
そして、おのずと新製品がでる数が減り、
新製品がでるスピードが遅くなります。
こうして、先生方の要望がなかなか現実にできない。
それは、先生、患者さん、日本経済にも影響します。
どうか私たちの能力を歯医者さんや患者さん、日本のためにも
存分に使える制度にしてください。