ちょこさら

私がうちの風呂を掃除する時は
だいたい1時間くらいかけてすみずみまで
また、見えないところまでピカピカにします。

そして、終ったあとに妻にこう言います。
「1時間かけて掃除しといたよ。
見えないところまでやっておいたから」

妻は素直に、「あー,ありがとう」と感謝をこめて私に礼を言います。

5歳と3歳の息子がぐずり、妻があまり寝れなかった朝は、
妻は私に「二人が寝返りがすごくて、よく寝れなかった」と言います。

すると私は「おー大変だったな」と自分でお茶を入れます。

つまり夫婦の間でも言わなきゃ分らないので
アピールをします。

仕事場で私は社長が目に入らないところで作業したときは
逐一したことを言います。
これは連絡とか報告より細かいものです。

「今、先生からメールが来たから返事を書いていたよ」

「研磨機の調子が悪かったから見てたよ」

「油を交換していたよ」

「朝早く来て、バフをかけておいたから」

「土曜日に先生に渡す資料をつくっておいたから」

などなど。

社長も私に対して同じです。

「日曜日に型をここまで進めておいた」

「昨日夜、図面書いておいたから」

「プレスの段取りしておいた」

などなど。

なんか鬱陶しい感じですか?
それにやったことをちょこちょこアピールして
嫌な感じですよね。
まーたまには、自分でもここまで言うことないかな
と思うこともあります。

日本人はこうして自分のしたことをひけらかすように
言うことをあまり、よしとはしません。

でも、言わなきゃ分らない。

ツーと言えばカー、とか
あうんの呼吸とか、
そんなものはないと思った方がいいのです。

分らなければ、お互いに嫌な思いをします。
特に親しくなればなるほど、
この位わかるだろうと思っていたことが分っていない場合、
やった方は、「わかってないのかよ」となり
受ける方は「言わなきゃ、わからねーよ」となります。
そして、変なしこりがたまるのです。

朝、起きて妻がなんか不機嫌だ。
妻が何も言わなければ、朝から何不機嫌な顔してんだ、となり

風呂掃除したことを言わなければ、
日曜日なのにぶらぶらして、私ばかり家事をさせて、となります。

仕事でもそうです。
姿が見えない時間が長ければ
何やってるんだ、ということになります。

それがお互いに分っていることならいいですが、
普段と違う業務をしたときには
ちょこっと言うことでお互いがすっきりします。

ただ、一点。言ったがために逆に嫌悪感を持たれることがあります。
それは結果が伴っていなかったときです。

もし、私が風呂を1時間もかけてピカピカにしたと言っておきながら
それほどきれいじゃなかったときは、

「なーに、これ。1時間かけてこれなの。まったく」
ということになります。

過程と結果。これが伴っていなければいけません。
そして、ちょこっとさらっと言うことで社内や人間関係が
ずっとうまくいきます。

ちょこさら、ちょこさら。