超音波スケーラーの詳しい説明
超音波スケーラーの基本的な知識
では、まず超音波スケーラーの原理です。その原理は超音波スケーラー本体より発せられた電気エネルギーをハンドピース内で超音波チ振動に変換し、そのハンドピースから超音波チップに振幅が伝えられるという仕組みです。
超音波に変換する装置は2種類あって、ひとつが磁歪型(マグネット型)、もうひとつが電歪型(ピエゾ型)です。
ピエゾ方式とマグネット方式の違い
ピエゾ方式とマグネット方式の違いはいくつかありますが、代表的なのは超音波チップの動き方です。ピエゾ方式は「直線的」に動きます。

そして、マグネット方式は「楕円」に動きます。円く動くと勘違いされている方がいらっしゃいますが、あくまでも「楕円」です。

弊社の2種類の測定器で調べると約7:3の楕円で動いています。
ピエゾ方式の特徴
ピエゾ方式は直線的に動きますので、側面を使うと効果的に歯石などが除去できます。この側面を使う方法はハンドのキュレットなどと同様ですので、感覚的には同じように使えるかと思います。
また、直線的に歯石に触れるため、超音波振動がくまなく伝わり、効率が良いスケーリングとなります。
マグネット方式の特徴
マグネット方式楕円で動くため歯石に対し「点接触」となります。そのため、硬い歯石などにはあまり向きません。
また、円く動くと勘違いされ、側面や内面、外面なども使えるので使いやすいなどと教えられることがあるようですが、実際は7:3の楕円のため側面を使う時と、内面・外面を使うときでは超音波チップのパワーなどを変えなくてはいけません。 ※この辺の詳しい解説は下記のページでしています。
→ 超音波スケーラー・マグネット方式のメリットは本当か? 1
こうした理由から現在ではピエゾ方式が主流となっています。
ペリオモードが超音波スケーラーの特長
現在、国内の超音波スケーラーは白水貿易株式会社取り扱いのサテレック社のP-MAX、ナカニシ社の超音波スケーラー・バリオス、EMS社の超音波スケーラー・ピエゾン、オサダ社の超音波スケーラー・エナックの4社で主要なシェアーを締めています。その中でもの特長的なのは、この中でサテレック社のP-MAX、ナカニシ社の超音波スケーラー・バリオス、EMS社の超音波スケーラー・ピエゾンにはペリオ(P)モードというモードがついていることです。
※EMS社の超音波スケーラー・ピエゾンの最新機種ピエゾンマスター700ではEモードがPモードの変りをしています。
このペリオモードは患者さんにできるだけやさしいスケーリングができるように、また、縁下での歯石・歯垢の除去やバイオフィルムの破壊に欠かせない機能となっています。
超音波スケーラーの使用時の考え方の変化
超音波スケーラーの説明でよく使われていた説明は、毎秒約3万回の振動の衝撃で歯石を破壊する器械です
この考え方はすでに変わりつつあります。
なぜなら、衝撃で破壊する歯石の先には「歯」があるからです。
超音波スケーラーを使うときに、患者さんに痛いと言われたことはありませんか?
もし、そうだとしたら、超音波スケーラー本体と超音波チップに関して、見直す必要があります。
ペリオモードを生かすも殺すも超音波チップ次第
ペリオモードは非常に弱いパワ-設定になっているため、その弱いパワーでも効果的に歯石除去できる超音波チップがなければ、せっかくの機能が使えません。ですので、ペリオモードで治療するときにあわせて大事なのが、先端の超音波チップとなります。
3万回の振幅は、それ利用することで、力をいれずに歯石除去などを行えるようになります。
術者の疲労がへり、患者さんにやさしい治療ができ、多少の時間短縮にもつながります。(時間短縮をめざしてパワーをあげますと、患者さんに痛みを与えます。パワーをできるだけ弱くして、やさしいスケーリングをしましょう。それでもハンドでやるよりはチェアータイムは短くなります)
弱い振幅が出る超音波スケーラー本体とその弱い振幅でも効率よくスケーリングできる超音波スケーラー用チップが必要です。
追伸 現在、術者と患者さんに優しいスケーリングをするための超音波スケーラー用チップの一ヶ月無料キャンペーンをしております。
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