超音波チップはフォルムで振幅の状態が変わります　

「フェザータッチの落とし穴」の回から少しずつお話し勉強していただきましたが、今回はその「フェザータッチの落とし穴のひとつ」をはっきりと申し上げる回となります。


私が、これまで何回かにわたって話していることはを要約すると

超音波チップの一秒間に数万回の振幅を歯面にすべて伝えて、効率よく歯石や歯垢の除去をしましょう。そうすれば、施術者も楽になりますし、患者さんも喜びます。
ということを基本に話を進めてきました。
しかし、これはあることが前提にあります。

　ちゃんとした振幅をするのが大前提です　

それは、

超音波チップがきれいな波形を描き、


同じ振幅の幅で超音波振動していること

です。


超音波チップが振幅するためには、いくつものポイントをおさえなければなりません。


しかし、振幅するだけでは本来の超音波チップの「超音波振動」で歯石歯垢を除去するという最大のメリットが生かせないということなのです。


・超音波チップを設計する。 　　　↓　　　↓　　　↓
・振幅させることができる。 　　↓　　　↓　　　↓
・その振幅を安定させる。

これが超音波チップの最低条件です。
そしてこれらをクリアするために


重要なのことのひとつが形状・フォルムです。


下の写真をご覧ください。



あえて、どこのメーカーの製品かわからないようにしてありますが、先端からカーブまでの曲線がガタガタに歪んでいるのがわかるかと思います。
この超音波チップの波形が下の図です。



これでは、一秒間に数万回の振幅を利用しようとしても、実際は、半分も当たらないかもしれません。


しかもこれでフェザータッチなどで治療を行えばどうなるでしょうか。


　　フェザータッチが逆効果　

フェザータッチは、一秒間に数万回の振幅をあますことなく伝えるすべなのに、もともと数万回があたるような振動をしていない。


しかも、このような波形だと、患者さんには、とびとびでチップが接触していることになりますので、それだけで、ドンドンという感触を受けることになる。

フェザーとは歯面に超音波チップを羽毛ののようにやさしく当てるのですから、当然、先生や衛生士さんはフェザータッチで治療を行おうとすれば、振幅が大きいところで無意識にでも当てようとしているはずです。

しかしこの波形では、大きいところにあわせれば小さいところでは歯面に超音波チップが当たりません。

チップを強く押し当てれば、チップが跳ねてしまい効率が悪くなりますが、それどころか超音波チップがあたらないのですから、このような超音波チップでフェザータッチを行えば、超音波チップが歯面や歯石に接している時間が短くなり、歯石除去などに時間がかかりることになります。


ということは、


せっかく患者さんの


負担を減らすためにしているフェザータッチが、


このような超音波チップでは、


逆効果になるのです！。


これがフェザータッチの落とし穴です。

　フェザータッチのためにすること　

フェザータッチで、歯垢・歯石の除去を、本当に効率的にやろうとするならば
超音波チップを選ばなければなりません。

フェザータッチをするには、下図のように



きれいな形状でなければなりません。
ちなみにこれは当社が市販しております汎用タイプという製品です。


この超音波チップは、このフォルム以外にも効率よく歯石除去するためにいくつか工夫していまして、フェザータッチが、より一層生きる超音波チップとなっています。


例えば、製品の中心付近にある注水口の位置。必ずチップ先端に水が当たります

そして、先端には、エッジの効果が得られるように角を少したてています。２．３ミリの縁下の歯石除去にも効果的だなど大変、好評です。


この製品の波形は



こうなります。


あなたならどちらの超音波チップを選びますか？


フェザータッチは、歯科医師さん、衛生士さん、患者さんとみなさんにとって、大変、有益な治療方法です。
メーカーの直接的な利益という面では困るのですが・・・（笑）。


このような歯石除去をする歯医者さんになら、患者さんもまた行こうと思います。逆にガンガン超音波チップを使われてたら逃げていくかもしれません。


次回は、安定した振幅をする超音波チップの形状の見分け方をお教えします。



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