カンブリア宮殿5/モノづくりの人間が捨ててはいけないもの
こだわりを捨てるということは、
利益をすてるのではなく、
モノづくりのプライドをすてること
錦部製作所・三代目 錦部実敬。
昨日のカンブリア宮殿は、
林原グループ社長の林原 健さんがゲストでした。
そして、先週は大和ハウス工業の会長・樋口 武男さんでした。
対称的でしたね。
静の林原、動の樋口みたいなイメージです。
ただ、私が共感できたのは林原さんでした。
いくら良いことを言っても行動がそれと違えば
共感できない
お二方ともご自分の理念を持っていて、
独自の経営手腕で利益をあげています。
林原さんの基礎研究に力をいれ、時間を惜しみなく使う方法は、
私たち研究開発をする人間にとっては、一番のやり方だと思います。
そして、普通の会社ではできないことを
同族会社で非上場という強みを
生かしてやるのはすごいですね。
また、樋口さんもたくさんの
勉強になることを言ってくれましたし、
やっていました。
例えば、金言にもなった下記の言葉。
金言1:「“人財”が育てば 企業は勝つ」
金言2:「明確な目標を持て」
金言3:「企業は永遠でなければいかん」
そして、人財を育てるべく、幹部の勉強会などもやっていますし、
エコな電気自動車から自立支援ロボットの開発、
さらには農業事業まで次々と参入しています。
すごいんです。すごいんですが、
共感はできなかった・・・・・。
原因はこのマンションです。

完全に手前のマンションの南側がふさがっています。
もちろん建ったのですから、
法律的には問題ないのでしょうが、
人道的にどうでしょか?
ものすごい反対があったのですが、
その反対を押し切って建てられました。
大和ハウス工業は、
この大不況の中でも
売上高1兆6900億円、営業利益730億円あるそうです。
こういうマンションを建てなくちゃだめですかね。
人財といいますが、自分の会社の人間だけが財産だという考えなら
ちょっとさびしいですね。
この太陽を奪われた住む人の気持ちはどうでしょうか?
私たちは、近所にいましたのでよく知っています。
「やめてくれ」という悲痛の叫びを。
さらに、現在はもうなくなりつつありますが、
ここのマンションを買った人は、
当初は、近所でアホ呼ばわりというか
「よく買うね、こんなマンション。信じられない」と
言われていました。
お客さんをこんな風に呼ばさせるマンション。
商売はなんでもそうかもしれません。
利益と理想の狭間でゆれます。
私たちでもそうですね。
ここを機械でやった方が早いんだけどとか、
この工程は他の会社もやってないからやらなくても問題ないんだけど、とか
でも、そのこだわりを錦部製作所が持ち続けるのは、
こだわりを捨てるということは、
利益をすてるのではなく、
モノづくりのプライドをすてることだと思うんですけど、
大きな会社になればなるほど難しいですかね。
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