キュレット・スケーラーが歯面を荒らす理由
スケーリングをしたときに歯面を荒らす大きな理由の一つが
歯に触れる刃の部分の仕上がりにかかっています。
つまり、そのキュレットやスケーラー、超音波スケーラー用チップの
刃が細かく仕上がっていればいるほど、
歯面がきれいに仕上がります。
わかりますでしょうか?
ちょっといくつか例をあげてみます。
一緒に怪物になりましょう
もし、分からない方は一緒にやってみてください。怪物とか大きな熊になったつもりでご自身の両手をガオーと
顔の前あたりに持ってきてみてください。
そして、目の前にいると仮定した相手の顔や体を
爪でひっかいてください。どんな傷あとがつきましたか?
では次に、相手を刀で切ってみましょう。
どんな傷あとがつきましたか?
二つを比べてみてくださいね。
最初はあなたの爪のあとがついていますよね。
次は刀の刃のあとがついています。
こういうことなのです。何かを切ったときの相手側につく傷あと、
キュレットやスケーラー、超音波スケーラー用チップでの
スケーリングで言えば、歯面につく跡というのは
その切る道具の相手に触れる部分の形状が
そのまま相手側につくということなのです。
見落としていけないのは内側です
先生や衛生士さんは多分、キュレットやスケーラー、刃の付いている超音波スケーラー用チップの刃を見てください、というと
横の部分を見るかと思います。
横の部分ももちろん重要です。
しかし、同じように重要なのが内側の部分です。
横が一見、きれいでも裏側が凸凹していれば、
キュレットやスケーラーを上記の写真のように
横から見たとき、大きく拡大すると内側が凸凹しているということに
なります。
つまり、このデコボコしているキュレットやスケーラーや
超音波スケーラー用チップでスケーリングをすると
そのデコボコがそのまま歯面に映り、
歯面を荒らすということになるのです。
これが歯面を荒らす大きな理由です。
もし私どもの超音波チップ、H3などを持っている方は
その内側をみてください。それが細かく研がれた
刃物です。
プロの刺身包丁と家の包丁
最後に私どもがよく挙げる例の一つが刺身包丁です。よく研がれた刺身包丁で切ると、刺身の角がピッと立ち、
断面がキラキラとします。
しかし、家の菜っきり包丁で切ったりすると
刺身の断面がぐちゃぐちゃになったりします。
キュレットやスケーラーもそれと一緒です。
刃は横側と内側で成り立っています。
ここをどれだけ細かく仕上げるかで、
歯面の仕上がりが変わります。